ボーエン病の症状と写真

皮膚がんと一口に言っても実はその種類はさまざまです。 皮膚は何層にも分かれた組織が重なることによってできており、どこの部位にがんができるかによって名称や種類、重症度なども異なってきます。 例えば、有棘細胞がんとボーエン病の症状と写真を比較してみましょう。

どちらも一般的に皮膚がんとよばれていますが、その性質は大きく異なっています。 まず有棘細胞がんは、皮膚の表面部にあたる表皮と呼ばれる部分のさらに中心部である有棘層の細胞からできるがんです。 がんが進行すると、皮下組織へがんが染み出していき、他臓器への転移を起こします。

病気の進行度によって0期〜W期に分類されており、早期発見の0〜T期であれば5年生存率はほぼ100%ですがW期となると30%以下に減少する非常に怖い病気です。


一方ボーエン病も、写真のように表皮内の有棘細胞ががん化する病気です。 しかしその悪性細胞が表皮内にとどまっている状態のため、手術で切除すれば転移や再発は非常にまれで生存率もほぼ100%です。 そのため、ボーエン病は皮膚の前駆症、表皮内がんといわれ、医療現場では有棘細胞がんなどとは区別されています。

治療法も二者では大きくことなります。 有棘細胞がんは、初期のものを除いては転移の可能性があるため手術の際リンパ節を一緒に取り除いたり、再発を防ぐため術後に放射線治療や抗がん剤治療が行われます。

しかしボーエン病は、表皮内にがんがとどまっている状態であるため、手術でとってしまえば転移などの心配がなくリンパ節郭清や抗がん剤治療などが行われることはほとんどありません。 このように同じ皮膚がんでも種類によって、患者さんへの負担や治療法なども全く異なってくるのです。


マリリンモンローやマドンナ、古くはポンパドール夫人などチャーミングなほくろは女性の魅力の一つと言えるでしょう。 日本でも「泣きぼくろ」はコケティッシュであるとされ、わざわざほくろを書いたりつけたりするおしゃれもありました。

私も顔にほくろがあり、自分ではあまりチャーミングに思えず小さいころから気になっていました。 そこへ追い打ちをかけるように「ほくろは大人になると大きくなってそこからがんになる」という噂を耳にし、恐怖すら感じました。

他にも「ほくろを触り続けると皮膚がんになる」「ほくろではなくイボが皮膚がんになる」など根拠のわからない噂に一喜一憂。 顔や体に目立つほくろのある人は同じような経験があるのではないでしょうか。 しかし、ほくろがみんな皮膚がんになるわけではないというのが正しい答えです。

この事実を知ったときは本当にホッとしました。 一方で「ほくろと思っていたものが皮膚がんだった」ということがあるのも事実です。 ボーエン病の症状も「イボと間違われやすい皮膚がんである」というのも事実です。

しかも発見が遅れると死にいたることもあるので、侮ることはできません。 ちょっと専門的な言葉になりますがほくろと間違われやすい主な皮膚がんはメラノーマといいます。

お年寄りの場合、さらに基底細胞がんという皮膚がんも最初のうちほくろと見分けがつきにくいです。 そしてイボと間違われやすい主な皮膚がんは有棘(ゆうきょく)細胞がんといいます。 ちなみにしっしんと間違われやすい皮膚がん、シミと間違われやすい皮膚がんもあります。

ボーエン病の症状を見分けるにはいくつかのポイントがあります。 まず、ほくろやイボなどが大きくなるスピードです。 急に大きくなった(6ミリ以上)、あるいはゆっくりとでも確実に大きくなっているでしょうか。 ほくろが大きくなってしこっているでしょうか。

またメラノーマは手足にできやすいので手や足の裏などに急にほくろができて成長していたら注意が必要です。 顔にできる場合は薄い形のはっきりしないほくろやシミがどんどん広がってきます。 ほくろの形が左右対称でない、というのも特徴の一つです。


特に形についてはお医者さんにみて判断してもらう必要があるでしょう。 また基底細胞がんの場合は盛り上がっているほくろの中央がへこんだり皮膚が崩れたりします。

皮膚がへこまなくても黒くロウを塗ったように光るのも基底細胞がんの特徴です。 ほくろが痛い・かゆい・出血するという場合、メラノーマを疑う必要があります。 皮膚がんは紫外線の影響や、ストレス、大気汚染など様々な要因で引き起こされます。

しかしボーエン病は見える症状のでるがんでもあります。 おかしいと思ったらすぐに病院へ行って検査を受けましょう。 おかしいぞと思った時、人は何事もないと思いたくて病院に行き遅れることがあります。

ほくろやイボと間違えやすい皮膚がんの場合、その遅れによりがんが内臓に転移して命を失うことがあります。 病院へ行き、何事もないほくろであった、と診断されれば安心できますし、皮膚がんなら早期発見につながります。 自分の皮膚のシミの異変に気付いたら、何はともあれ専門医の診断をうけましょう。